相次ぐ訃報
先日(2025年7月22日)、ネットニュースで渋谷陽一が亡くなったのを知った。2023年の11月に脳出血のため緊急入院し、その後リハビリを続けていたが、誤嚥性肺炎を併発し、7月14日に亡くなったという。
そして、一昨日(2025年7月23日)はオジー・オズボーンの訃報である。死因は明らかにされていないが、家族によると「長年の病との闘いの末」とされている。(2020年には、パーキンソン病であることを公表している。)7月5日に開催された「最後の公演」と銘打たれたコンサートでは、車いすでの登場ながらも、元気な姿を見せていたという。
私は洋楽は好きなのであるが、マニアというほど聴いてはおらず、また曲やボーカルが好きな対象の中心であり、自分がギターを弾けないのもあってギターの音やギタリストにはあまり興味もない。そのため、そもそもHR/HM(ハードロック、ヘヴィメタル)は聴かないし嫌いでさえあった。
洋楽を聴きだしたのは中学生あたりからで、その頃の1984年のチャートを見てみると、セイ・セイ・セイ(ポール・マッカートニーとマイケル・ジャクソン)とかロンリー・ハート(イエス)、ザ・リフレックス(デュラン・デュラン)などと懐かしい顔ぶれである。
ほかには、プリンスやワム!、マドンナにシンディーローパーなどが人気で、私もそのあたりのアーティストのアルバムをレンタルCDで借りて聞いたりしていた。そうやって洋楽に触れているうちに、ちょっと通ぶってみたいという下心もあり、ロック・クラシックの名盤を聴いてみようと思った。
ロック・ベスト・アルバム・セレクション
しかし、当時はネットもスマホも無く、テレビや雑誌などで垣間見える情報を基に名盤を探すしかなかったのだが、何せ情報が少なく精度も低い。そんな時に私の目の前に現れたのが、渋谷陽一の「ロック・ベスト・アルバム・セレクション」という単行本である。
1988年の7月に発行されているようなので、ちょうど私が洋楽を聴き始めて3年あたりという、「いい時期」に出会っていたのだと思う。渋谷陽一については、「ロッキング・オン」の初代編集長であったこと、賛否はあるがロック評論の第一人者であるといったことしか知らなかった。
「ロッキング・オン」もパラパラとしか見たことが無い。今は死語となりつつあるライナー・ノーツ(音楽レコードやCDのジャケットに付属している冊子等に書かれる解説文)で何度かこの渋谷陽一の名前は見たような気もする。(他には、湯川れい子とかの名前も覚えている。)
とりあえず、偏りはあるかも知れないが、誰もが認める名盤は載っているだろうと、迷うことなく買った。そういえば、名前は知っていたが全く聞いたことなかった「ブラック・サバス」も、この「ロック・ベスト・アルバム・セレクション」で推していたことで「マスター・オブ・リアリティ」を聴いたのを覚えている。
ただ、正直、その時は全くいいとは思わなかった。まだまだHR/HMに偏見があったのだろう。その頃、友達が好きだったアイアン・メイデンも、キンキン声でギターがキュインキュインいっているのが何がいいのか分からなかった。今は両方、大好きである。
参考にして聴いたアルバム
この「ロック・ベスト・アルバム・セレクション」を参考に買って良かったと思ったのは、(何ぶん、昔の話なので間違えているかも。本はとっくに捨てたし。)こんなところか。
・ ジギー・スターダスト(デヴィッド・ボウイ)「レッツ・ダンス」しか知らなかったので、衝撃的だった。こんないいアルバム作ってたんか…
・ チキン・スキン・ミュージック(ライ・クーダー)この本に載ってなかったら一生聴いてなかっただろう。
・ ガソリン・アレイ(ロッド・スチュワート)これも、セクシー路線のロッド・スチュワートしか知らなかったから、驚いた。良作。
・ ブラック・シー(XTC)大好きなバンドだが、最初にこれを聴いたから好きになれたような気がする。
スティービー・ワンダーなども、「心の愛(I Just Called to Say I Love You)」とか、パートタイム・ラバーで知ったのが、この本を見て黄金期の三部作と「キー・オブ・ライフ」を聴いて真価が分かった。
洋楽離れと言われる今こそ、必要な本だと思う。ただ、紙の本も売れていない時代、どうしたものか…
HR/HMがたまらない
オジー・オズボーンは、言わずと知れた「ブラック・サバス」のボーカルだが、先に触れたように私は昔、HR/HMが嫌いでさらにはホラーやオカルトという要素も元々嫌いなので、ブラック・サバスは聴こうと思ったことは無かった。
しかし、渋谷陽一の「ロック・ベスト・アルバム・セレクション」で推していたことで、聴いてみようと思い、「マスター・オブ・リアリティ」を聴いたのだが、その頃は全くいいとは思わなかった。
しかし、時が経ち、歳も重ねたことで「分かりみ」が強くなったのか、ここ数年、HR/HMがたまらなく心地よく、ブラック・サバス、アイアン・メイデン、メタリカなどを聴きだした。これからは(死ぬまでに)もっとコアなやつも聴いていこうと思っている。
そして、たまたまYoutubeで見たオジー・オズボーンのソロ「Crazy Train」を聴いてから、今はまるで自分のテーマソングかという位、何かにつけて口ずさみ、この曲が頭の中で流れている。オジーの声もいいし、ギターがまたいい。
今さら私が言うのもなんだが、このランディ・ローズ(夭折したのは後で知った)のギターリフ、かっこ良すぎ。ひと昔前は、こういう訃報を聞くと「ああ、もうそんな歳やったか。」としか思わなかったが、最近は「そろそろ俺も。」とか「74歳やったんか。俺もあと20年切ってるなぁ。」と思うようになってきた。
そして、「そろそろ(死ぬ前に)、あれを読んで、あれを見て、あれを聴いて…」おこうなどとよく思っている。名作と言われる本、映画、アルバム…それと、洋楽に関しては、いいと思えるか、理解できるか。例えばビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」。無理かもなぁ。
そういえば、ブライアン・ウィルソンも先月(2025年6月11日。82歳没)亡くなっている。


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