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56年生きてきた私が人生で衝撃を受けた漫画3選

マンガ

気力と感受性の減少

ここ数年は毎週楽しみにして週刊誌で連載を読むようなことは無くなり、話題のマンガを少し遅れて単行本で一気読みするだけのマンガ好きになってしまった。小学生の頃は週刊の5誌(ジャンプ、サンデー、マガジン、チャンピオン、キング)全てを発売日当日の読んでいた。

その後、働きだしてからのピーク時は、ジャンプ、マガジン(キングは廃刊、サンデーとチャンピオンは読まなくなった。)に加えて、ヤンジャン、スピリッツ、モーニングの5誌を毎週、通期途上で発売日に買って読んでは、電車の棚の上に置いて帰っていた。

そのなかで、「続きが楽しみでしょうがない。」なんて思って雑誌を買うや否や、最初のページを飛ばしてその漫画を見つけ、そして読む。というくらい期待していたのは、「スラムダンク」「タッチ」「ドカベン」くらいだったように思う。

ただ、これは好き嫌いの度合いというよりは、特に先が知りたいスポーツもの(タッチは微妙だが…)であることと、自分がまだ若かったという理由だと思う。流石に40代あたりの晩年は、そこまでガッツいて読むまでの気力や感受性は失われていたようだ。

ただ、ごく最近の話だが、アニメ「メダリスト」を勧められて観た際には、早く観たくて観たくてしょうがなかった。まだ、私にもそんな感情が残っていたのかと思うと、嬉しくも恥ずかしくもあった。

衝撃を受けた漫画

さて、そんな漫画経歴のある私が、好きだとか、感動したとか、面白かった漫画はいくつもあるが、今回は「衝撃を受けた」漫画を3つ紹介したい。

AKIRA

まず一つ目は月並みだが「AKIRA」だ。作者はご存じ大友克洋。1982年から1990年まで「週刊ヤングマガジン」で連載されていたというから、私が13歳~21歳の時になる。もちろん、連載開始の13歳の時点では「週刊ヤングマガジン」は読んでいないし、成人する頃には噂では凄いと聞いていたが、読む機会が無くそのままになっていた。

その後、30歳くらいになって、漫画喫茶か何かで読む機会があり、よく見かけるオレンジや青一色でデザインされた大判の単行本で読んだが、聞いていた予想以上の衝撃を受けた。これまで俺が読んでいた漫画は何だったのかと。

今さらだが、絵の構成や書き込みと表現力が凄まじく、「絵」そのものが世界観を作り上げ、それに没入してしまう。今までにも作品の世界観にのめり込んでしまうことはあったが、それはストーリーや状況設定によるものであった。

「絵」そのものの力があまりに強大で、例えば「力」で人が壁にのめり込むシーンなどは、写真や映像より写実的で、絵から圧力やスピード、感情などが実感として伝わるのだ。痛そうではなく、痛い。苦しそうではなく、苦しい。といった感じだった。

とにかく、これは口で説明するより読んでほしい。ストーリーも十分に練られており、物語としても面白い。そして、せっかくなので「AKIRAあるある」も体験してほしい。あまりに著名になったので新鮮さはないかもしれないが、私は完全にひっかかった。

「金田?こいつがアキラとちゃうんかい!」「ああ、これがアキラやろ。え、鉄雄?こいつも違うんかい!」

ストップ!!ひばりくん!

二つ目は「ストップ!!ひばりくん!」だ。

「すすめ!!パイレーツ」が好きで、作者の江口寿史も好きだった私。次作の「ひのまる劇場」はおいといて、3作目の「ストップ!!ひばりくん!」は衝撃的だった。やっぱりひばりくんが男の子だったという衝撃が強く、これもやはり「江口寿史が描く女の子」が「男の子」であるという「絵」による衝撃だった。

これが他の作家が書いた「美少女」が実は「男の子」だったとて、それほどの衝撃は無かった。江口寿史だけに、その後の連載は順調に行かず、わずか2年あまりで未完のまま打ち切りとなる。その後、最終話のラスト5ページが加筆された完全版が描かれたが、物語自体は完結していない。

それでも、私を含めた漫画ファンに強烈な印象を残している。こういう作品には、もう二度と出会えないような気がする。

ナニワ金融道

最後の三つめは「ナニワ金融道」である。1990年に連載開始というが、新連載やリアルタイムで読んでいたという記憶がない。しかし、記憶では当時(21歳ころ)、モーニングは買って読んでいたような気がする。これはジョジョ(今や私の人生のバイブルだが)と同じで、絵柄が気持ち悪くて読み飛ばしていたかもしれない。

その後、単行本で読む機会があり、最初の1巻目に手を伸ばしてからは、一気に最後まで読んでしまった。絵は気にならないどころか、むしろ心地よくなってきた。そして、最初の頃の進撃の巨人なんかとは違い、「誰が誰かははっきりと分かる」ところは良かった。

法律の裏側的な話の内容も面白く、今や有名となった「地面師」の話などもあり、そこからの追い詰め方が「なるほど」「すげー」の繰り返しで、(暴力的な描写もあるが)基本的には「ウシジマくん」のような「力」ではなく「知恵」で解決をする話であり、思わずニヤリとしてしまう。

といっても、ヤクザを半殺しにしたり風俗に売られる話もあるのだが、これもやはり「独特な絵」であることも相まって、逆に芸術的な絵面になっているのが凄い。後は、看板などの名称の執拗な書き込みや、登場人物の名前(桑田、元木など)、作者の主義・主張をヒシヒシと感じるのがいい。

青木雄二という人

これほど、作者の思いが伝わる「絵」「ストーリー」はなかなかない。少し、作者である青木雄二のエピソードを羅列する。

・ 「お国は一切信用していません」と言い、国民年金は支払っていない。
・ 「どこが自由で民主主義的な党やねん」と、自民党を嫌い、日本共産党を支持していた。
・ スウェットにつっかけという姿で、黄色いポルシェに乗っていた。
・ 日々「神はおらん」と言っていた。もちろん無神論者で、葬儀は無宗派で戒名もない。
・ 50回以上の見合いを経験したのち、50歳で結婚、55歳で子供をもうけている。

このあたりの主義主張が、ストーリーや登場人物のセリフだけでなく、絵柄や書き込みからも伝わってくる。この「ナニワ金融道」において、45歳という遅咲きでの漫画家デビュー。よくぞ、この作品を世に出してくれたと感謝するしかない。

先のふたつ、「AKIRA」と江口寿史は後続に多大な影響を与え、造形を模倣されることになるが、この青木雄二の絵柄だけはその対象にはならず、青木雄二が監修した「カバチタレ」において作画する東風孝広が寄せにいっている程度だろう。

衝撃を受けた漫画(おまけ)

衝撃を受けた漫画、次点として次の3つをあげておく。

1 モンモンモン(つの丸)この絵柄にハマる人はハマる。嫌いな人は一生好きになれない。私は大好き。
2 えの素(榎本俊二)ロッパー!下品だがリズムがいい。まるでラップを思わせる漫画。
3 失踪日記(吾妻ひでお)あの吾妻先生がそんなことになっていたとは…超名作。

今回、ここに挙げた6作品は読まないと人生損をする。ただ、えの素とモンモンモンは人を選ぶので注意。

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