PR

白川道(しらかわとおる)の「捲り眩られ降り振られ」を読んでいる

小説

競輪のエッセイ

私の最近のルーティンである、図書館でなんとなく手に取った作品を読もうシリーズの最新版となったのは、標題の「捲り眩られ降り振られ」(白川道)である。「捲り眩られ(まくりまくられ)」とは、競輪競技において前の選手を抜いたり抜かれたりすることを意味することであり、同署はもちろん競輪のことを書いた本である。

こういうスポーツものは好きなので、思った通りにサクサク読めるのだが、少し内容が散漫な印象を受けた。毎回、作者と縁のある作家を呼んで競輪の魅力を教示し、一緒に車券を買うという内容のエッセイなのだが、その作家というのが競輪初心者であったり、競輪のことを全く知らないという人が多く、どうしても内容が薄いように思う。

それより、文章に滲んでいる白川本人の競輪に対する愛憎や情熱だったり、【「天国への階段」のヒットによる8,000万円近い印税を、たったの1ヶ月で競輪で溶かし、翌日には前借りを始めた。】なんていう話の方が面白く、それを1冊にした方が読み物として面白かったのではと思った。

作家「白川道」とは

実は私はこの白川道という作家は初耳で、代表作である「天国への階段」というのも聞いたことがない。その「天国への階段」は、第14回山本周五郎賞の候補作となり、その後テレビドラマ化された人気作だという。

もともと、私はドラマは見ない(今までに観たドラマは、「池中玄太80キロ」「西遊記」「半沢直樹」「VIVANT」くらい。)ので、ドラマの存在も知らなかった。なお、この小説「天国への階段」はあのツェッペリンの「天国への階段」から取っているということで、作品中でもそのことが言及されているらしい。上中下の3巻というからなかなか読むのも大変だが、機会があれば読んでみたいと思う。

この白川道という人の経歴が凄い。一橋大学を卒業後、大手電機メーカーに就職するも3か月で退職し、次は大手広告代理店に入社。しかし、そこも26歳で退職してしまう。その後は先物取引会社で勤務したり、旅行会社や書店を起業したものの、失敗の連続。

結婚して松山市にある妻の父の会社で役員となるが、なんと2年半で離婚。子供を松山市に残したまま、一人で東京に戻る。そこで日本橋兜町の投資顧問会社で勤務した入社後、自ら株式投資顧問会社を起業して今度は成功。その頃は何十億という金を動かしていたという。そして、女子大生と同棲し、年に1億円を使いきるような贅沢な生活を送っていたとか。

しかし、バブル期に至り投資ジャーナルに関わってしまい、インサイダー取引、マネーロンダリングなどの不正に関与したかどで逮捕され、懲役3年の実刑判決を受ける。そして2年半、刑務所で服役している。

すでに故人だった

このあたりの話は「流星たちの宴」という白川道氏の自伝的な長編デビュー作で描かれており、これも面白いらしい。ただ、絶版になっているとか。レビューを見ると好評で「ちょっと古いハードボイルドの雰囲気」が好きな人にはたまらないなんて書いてある。いいかも。

さて、こういう人は話もうまそうだし面白そうなので、書いたものよりまずは話しているところでも見てみようかと思い、今(2025年9月)どんな活動をしているのかなと調べてみると、残念なことに既に故人(2015年4月69歳没)であった。

ただ、その時は知らなかったので気にしていなかったが、西原理恵子の「できるかな」に内縁の妻「中瀬ゆかり」と一緒に登場していたらしい。この「できるかな」は読んだ記憶がある。この「できるかな」は超名作である。

タイトルとURLをコピーしました