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夢枕獏の「陰陽師」を読んだ。

小説

荒俣宏?

図書館でぐるぐると文庫本コーナーを巡っていると、そこに「夢枕獏」の文字を見つけた。私は「夢枕獏」の文字を見ると何故か「ドグラ・マグラ」を思い出す。「ドグラ・マグラ」は夢野久作の代表作で、小栗虫太郎「黒死館殺人事件」、中井英夫「虚無への供物」と並び日本探偵小説三大奇書に数えられる小説である。

私も一度、青空文庫で「ドグラ・マグラ」にチャレンジしてみたことがある。「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」と言われる本書、その体験をしてみたかったが、すぐに断念した。読みにくい…というか読み進まない…ていうか面白くない。

夢枕獏とドグラ・マグラを混同するのもどうかと思うが、私はさらに混同する。いつもそうなのだが「夢枕獏」と聞いて頭に浮かぶのが、眼鏡にタラコ唇と印象的な鼻の横のイボ(ほくろ?)…いや、それは「荒俣宏」やろと、いつもセルフツッコミするくらい、名前と顔も他の人と混同する。

そう、荒俣宏は「陰陽師」やなくて「帝都物語」の人。しかし「帝都物語」も陰陽道や風水を取り扱っているから、これは間違っても仕方ない。許してもらおう。

陰陽師

その「陰陽師」だが、図書館の本棚には「陰陽師 ○○の巻」というのがアホ程あって、読んでみようにもどれを読んだらいいのか分からない。しかし、よく見ると端っこに「陰陽師」とだけ書かれたのがあり、最初はこれかなと思ってそれを借りて読むことにした。

予備知識はあまりない。イメージは、軍服を着たアゴの長くてしゃくれた男…いやいや、それは帝都物語。陰陽師のイメージはやっぱり野村萬斎が頭に浮かぶ。しかしなんとなく違和感がある。最初に野村萬斎が浮かぶのは、映画化された際の主役「安倍晴明」を演じたからだろうが、なんかちょっと違う気がする。

相方?の源博雅の伊藤英明はイメージどおり。安倍晴明のイメージはやっぱり「羽生結弦」かなあ。羽生結弦がフリープログラムで使用した「SEIMEI」は、2018年の平昌五輪で金メダルを獲得した際も使われた楽曲で、元は映画「陰陽師」のサウンドトラックという。

岡野玲子の作画による「陰陽師」の感じもやはり中性的な色白の線の細い優男であり、野村萬斎とは違う気がする…2024年の「陰陽師0(ゼロ)」は、山﨑賢人が安倍晴明を演じたというが、そっちの方がまだ合っている。

話は戻るが、夢枕獏と荒俣宏、やっぱり何か関係あるんじゃ?と思い「荒俣宏 夢枕獏」で検索してみたら、和歌山の「南方熊楠記念館」に「荒俣名誉館長・夢枕獏先生ご来館」という記事があった。プライベートではなく、公用らしい。

陰陽道の話か何かで、二人が一絡げで呼ばれて講演でもしたのだろうか?この南方熊楠という人物は、ジャンプに連載されていた「てんぎゃん -南方熊楠伝-」で私は知ったのが、そういう人も多いのでは?この南方熊楠という人は何せ凄い人物なので、ヒマな人は wikipediaで見てみてください。

短編集だったが、面白い

前置きが長くなったが、「陰陽師」さっそく読んでみよう。読みやすい…面白い。そもそも、安倍晴明のエピソードを集めた短編集だったのね。もっと活劇っぽいのかと思ったら、相方である源博雅との会話がほとんど。改行や擬音も多く、1ページあたりの文字数が少ない。本当に読みやすくて面白い。

内容的には、有りがちなというか、何処かで聞いたことのあるような話なのだが、逆にこの小説からヒントを得たり、この小説のエピソードのオマージュだったりしたものを、私が先に別のところで見ているからなのだろうか。

評価と採点

伝奇というかファンタジーというか、言ってしまえば荒唐無稽な夢の中のような話なのだが、「呪」だったり「言霊」のようなものが絡んでくるから、なんだかそれらしいというのはある。この感じは「呪術廻戦」に通ずる。「呪術廻戦」もジョジョのような能力バトルだが、「呪」のテイストが話を奥深くしており、この陰陽道がその「呪」の元となっている。

呪術廻戦に出てくる「加茂憲倫」は陰陽道を使う加茂家の者とされているが、この加茂家は実在する陰陽道の名家であり、平安末期においては天文道の「安倍家」と暦道の「賀茂(加茂)家」は並び称される二大名家だったという。

その安倍晴明は賀茂家の門下生であったというし、また古き書物では安倍「宿禰」晴明と記載されるものも散見しているという。そうだったのね。また呪術廻戦が読みたくなってきた。

「陰陽師」、点数をつけるなら75点というところか。面白いのだけど、短編の分、点数を下げた。長編で読んでみたい。そんなのあるのかな?どうしても短編は4コマ漫画とか1話読み切りレベルの面白さ、感動しか得られない(私は)ので。ただ、どうも他の○○の巻も短編のようだ。続けて読んでみたいとまでは今のところ思わない。

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