PR

横山秀夫の「第三の時効」を読了。途中でつけた90点からどうなったか。

小説

「モノクロームの反転」

先日、読んでいる途中と言っていた横山秀夫の「第三の時効」を読了した。短編で読みやすかったのもあるが、面白くてあっと言う間に読んでしまった。本や漫画ではこの「読む速さ」は面白さを示す指標としてかなり正確だと思う。

先日の記事

また、映画などでは「時間の経つ速さ」が同じようにかなり正確にその面白さを表していると思う。ほんとに面白い映画はあっと言う間で、つまらない映画は「まだ4分の1も終わってないんか。」と思う程長い。ただ、私が「もののけ姫」を観た時のように始まって5分で寝て、起きたら終わっていたという場合もある。

さて、この「第三の時効」は6話からなる短編だが、前回の記事では第4話「密室の抜け穴」を読んでいる途中で、残る第5話「ペルソナの微笑」と第6話「モノクロームの反転」を読み終わったというところである。

全6話とも良かったが、特に第6話の「モノクロームの反転」が特に良かった。この「F県警強行犯シリーズ」は、捜査第一課強行犯捜査一係の「朽木」、二係の「楠見」、そして三係の「村瀬」がそれぞれ他を排除、抜け駆けしてでも手柄を立てようとし、いがみ合っているというのがひとつの売りなのだが、最終話での「朽木」と「村瀬」のからみは良かった。

続きが読みたい

本当に短編とは思えない、短編ではもったいないとも思えるプロットの作りこみで全編良かったが、特にこの第6話は朽木と村瀬の対決が素晴らしい。ともに相手を出し抜こうとしながら結果的に両輪となって解決に向かい、最後は一方が譲る形で終わるのだが、そこに至る経緯がいい。

それらを説明くさくなく、淡々とそして劇的に書いているあたり、読ませるのがうまい。解決に至るあたりは、探偵モノの事件解決の気持ちよさと、人情劇のここちよい感動とが一気に襲ってくる。最終話に相応しい。しかし、続きが読みたい。

この「F県警強行犯シリーズ」は他に「永遠の時効」と「第四の殺意」という短編がアンソロジーに収録されているようなので、是非探して読んでみたい。なお、「F県」とは「福岡県」ではないかとネット上で考察し書いている人がいたが、私もそう思う。

しかし、この「朽木」と「楠見」と「村瀬」の話はもっともっと読みたい。3人ともあまりに魅力的で、また絡んだ時の関係性がたまらない。それぞれがそれぞれを疎ましく思い憎んで、それでもお互いに認め合っている。一昔前の超一流のプロ野球選手のようだ。

もう少しで100点!

前にも書いたが横山秀夫は「半落ち」を読んだのが始まりで、その時は「う~ん。」という読後感しかなかったが、それは単に話が合わなかった訳で、決して作者の力量では無いのは薄々感じていた。そしてここにきて「第三の時効」が絶賛である。

次は「クライマーズ・ハイ」をこれから読むところだが、これもまた毛色の違う話のようで、さてどうなることか。最後に、採点である。読んでいる途中でつけた90点から、下がることはないと自分では思っていたが…

採点は、96点!あと10話くらいあったら100点になっていたかも。

コメント

タイトルとURLをコピーしました