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ジャスト・ア・ジゴロ

洋楽

初めて聴いた時の話

ジャスト・ア・ジゴロと聞いて何を思い出すか。wikipediaで検索してみると、1931年と1978年の映画と(曲)の3つがヒットする。1931年の映画はアメリカのロマンティック・コメディで、まあ当然ながら「ジャスト・ア・ジゴロ」の楽曲がフィーチャーされているとのこと。内容は「本物の愛」を知った若者の話だと

もうひとつの1978年の映画というのが西ドイツで制作されたドラマ映画で、なんと主演はデビッド・ボウイ。残念なことに評価は散々だったようで、もはや黒歴史化しているようだが、ボウイはサントラに曲を提供しており、日本ではシングル盤で発売されてコレクターズ・アイテムになっているという。

最後の(曲)だが、私が初めて聴いたのは何かの音ゲーだったと思う。そしてその時が初耳の曲で「一体、何の曲?」と思ったのを覚えている。そして、昔の洋楽スタンダードっぽいけど若い子が聴いて分かるんやろか?とも思った。位置づけとしては太鼓の達人におけるクラシックと同じなんやろが、とうがたった私でも聞いたことが無いのに若い子が聞いて分かるのかと。

そんなことがあったのを忘れた頃、何もかもが嫌になり、こんな時は頭を空っぽにしてデビッド・リー・ロスの変態アルバム「イート・エム・アンド・スマイル」でも聴くかと Youtubeで検索して聴いたりしていると、例の「ジャスト・ア・ジゴロ」がおススメだか何だかに挙がっている。

デビッド・リー・ロス

いつもは「知性のカケラも感じさせない」キャラのデイブだが、この「ジャスト・ア・ジゴロ」のMVは(知性は別として)なんというか、歌の上手く声のエモさが際立っており、素晴らしい仕上がりだった。調べてみるとデイブの初ソロ作品となるEP「クレイジー・フロム・ザ・ヒート」(全4曲)のうちの1曲で、ビルボートチャートで12位とヒットしている。

「ジャスト・ア・ジゴロ」は、そもそもはビング・クロスビーが1931年にヒットさせたポピュラーソングだが、デイブがカヴァーしたのは1956年に発表した「ノーバディ (I Ain’t Got Nobody)」とのメドレー構成になっているルイ・プリマ版。このルイ・プリマの歌っているものも聴いてみたが、デイブはかなりルイ・プリマに寄せるよう意識して歌っているようだ。

どちらも良いが、私のなかではもう「ジャスト・ア・ジゴロ」は断然、デビッド・リー・ロスが編曲も声も歌も良く、もはやデイブの歌と思っているほどそっちが好きになった。なお、デビッド・リー・ロスはスティングの反対語だと思っているのだが、仮に大災害が起こり避難するとなった時どちらに着いていくかというと、おそらくスティングについていくと助かりそうだが、何故か勢いでデイブについて行きそうな自分が怖い。

life goes on without me

歌詞はというと、ルイ・プリマのように妖艶でもデビッド・リー・ロスのように能天気でもなく実は戦争帰りの軍人の悲しみを歌っているようで、特に私は(英語はよく分からないのだが)最後の「life goes on without me」(僕に関係なく人生は続いている)、という歌詞が(俺なんかいなくても、みんなの人生は何の変わりなく続いていく)と言っているようで、しんみりとした。

ちなみに、中央競馬に「ジャストアジゴロ」という馬がいた。「オメガ」の冠名で有名な原禮子さんが馬主で、やはりこの曲から取った馬名だというが、何故この馬名にしたのかは伝わっていない。新潟でデビューして新馬で2着、次走の未勝利をモレイラ騎乗で勝つと、果敢にもG1ホープフルSに挑戦するも流石に11着と振るわなかった。

その後、1勝するも頭打ちとなり障害に転向。障害4戦目で勝利するもそのまま引退。(僕の引退に関係なく競馬は続いている)なんて思ったかどうかは馬に聞いてみないと分からないが、戦争帰りの軍人は「たかがジゴロさ」と自虐し、ジャストアジゴロは「たかが競馬」と思うままの気ままに草原を闊歩しているのだろうか。

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