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傑作漫画「へうげもの」を全部読んだ

マンガ

結末が分かっていても面白い

4巻くらいまで読んだ時点で「これは傑作、90点」と書いたが、とうとう全25巻を読了した。正直、前に感想を書いた4巻を読み終えた以後、秀吉の死まであたりがピークで、90点どころか95点という位に面白く興奮していたが、その後ちょっとダレてしまい20巻くらいでは少しパワーダウン感があった。

歴史ものはどうしても結果が分かっているため、他の漫画とは違い読者のもつ「こうなってほしい」という流れと、実際の漫画の結果が違うことによる喪失感や残念感がない代わり、「思ったとおり」だった時の達成感や充実感だったり、あっと驚くような結末になることはない。

前の記事にも書いた漫画「キングダム」は、始皇帝が中国を統一しようとする話であるが、そこまで中国の歴史に詳しくない人でも始皇帝がその望みを叶えて中国の統一を果たすことは知っているだろう。そんな結末を知っていてもあれだけ売れたことから分かるように、漫画「キングダム」は面白いし、結末が分かっていても面白い漫画はいくらでもある。

古田織部の最期

この「へうげもの」にあっても、信長が本能寺に敗れ秀吉が亡くなり、豊臣家が滅ぼされることは分かっていても、ストーリーの面白さには変わりがない。ただ、大まかな事実は史実どおりであっても、細部でどうみてもフィクションの部分があり、それが「歴史もしも」的なところもあって面白いのだ。

後半からは主人公である「へうげもの」古田織部の生きざまが主題となってくるが、私はこの古田織部については名前を知っている程度で、事跡やその最期を知らない。かなり迷ったが知らないまま読もうと思って調べることはしなかった。史実の分で私が知っていること(古田織部関連以外で)もいくつかあり、その事実が分かっていても面白く読んできたが、やっぱり古田織部の最期は知らないまま読みたかった。

これは優れた小説や映画でよく言われる「観たことの記憶を失くして、最初からもう一度観たい」とか「まだ観ていない人が羨ましい」というそれと同じで、私も古田織部の最期を知らないことを、まるで誇るかのように「羨ましいだろう」と思いながら読んでいた。

良かったラスト

そしてその最期はどう考えてもフィクションが多分に含まれていると思われるが、それでもかなり泣けた。やっぱり「へうげ」を貫き何としても逞しく生き続けるのではないか、またそうして欲しいとも思っていたが、流石に史実をそこまでは曲げられない。

読んだばかりだが、いま直ぐにでも最初からまた読んでみたいと思った。史実と全くの物語だから比較するのもおかしいが、へうげものにおいて秀吉が亡くなった後と、北斗の拳においてラオウが昇天した後には少し同じ匂いがしたが、ラストは少し北斗の拳が物足りなかったのに比して、へうげもののラストは良かった。

採点は97点。

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