へうげもの
「へうげもの」という題名だが、これは読むと「ひょうげもの」となる。蝶々(ちょうちょう)を「てふてふ」と書いたり、「平塚らいてう」と書いて「ひらつからいちょう」と読むあれだ。どういうルールなのか、この方式を何と呼ぶのか、そもそもこのやり方に名前があるのか無いのかも知らないが、感覚的にこう書かれているとこう読むというのは何となく分かる。
なので、作中のセリフでは「ひょうげもの」とか「ひょうげる」と書かれており、2巻で真っ二つにされる織田信長も、主人公の古田に対して「ひょうげもの」であったり「ひょうげてこい」などと言っている。なお、今の時点で私は4巻まで読んでいるところだが、既に織田信長・明智光秀は亡くなっている。
4巻の時点で、秀吉(まだ藤原秀吉と呼ばれている)、千利休、徳川家康、そして主人公の古田織部正(ふるたおりべのかみ)あたりが主要な登場人物として活躍している。単行本は全部で25巻くらいあるようなので、さて歴史をどこまで追っかけるのか楽しみである。
古田織部
同じ歴史もので最近のヒット作と言えば、お隣の中国が舞台になっている秦の始皇帝の話「キングダム」だが、こちらは2025年11月現在で単行本75巻くらいの長期連載中のところ、中国統一又は始皇帝の最期まで書くとしたら200巻くらいになるのだろうか。私もリアルタイムでは読んでないが単行本では読んでいるので、私がいなくなるまでに完結するかどうか気になるところである。
この「へうげもの」は連載時も結構話題になった作品なので、なんとなく内容は知っていた。歴史ものだが、天下人を主人公とせず、それこそキングダムのように天下を取ったり武人として出世するというような話ではなく、そんな時代に雅とか粋というものに生涯を捧げた武将の話であると。ただ、主人公が古田織部とは知らなかった。
「ひょうげもの」とか「ひょうげる」の意味は知らない(敢えてググってもない)が、作中での使われ方からすると「剽軽(ひょうきん)」の瓢のことで、物事を面白おかしくそして晴れやかで粋に構えて過ごすというような意味だろうと思わる。
思っていた数十倍面白い
傾奇者(かぶきもの)の傾奇(かぶく)が相手を圧倒する力の入ったものであるのに対して、数寄者(すきもの)の数寄(すき)が、どこか相手をからかうような力の抜けたものであるような、その数寄に通ずる「ひょうげ」を体現する「ひょうげもの」なのかと思いながら読んでいた。
内容的には思ったより骨太であり結構歴史の流れに沿ったものであり、美術品や業物(わざもの)にもっと特化した話かと思っていた歴史ものの好きな私には、かえって面白かった。もちろん史実とは明らかに違う部分もあり、またどう見ても細川護熙(細川幽斎)だったり、具志堅洋行らしき人物をオマージュしている人物(加藤清正)もあったりで、歴史ものというよりは史実や歴史上の人物を借りた物語という感じだ。
ただ、思っていた数十倍は面白い。ちょっとびっくりした。当時、評判になっていたのも頷ける。今はとにかく早く続きが読みたくてたまらない。最後まで読んだのちに、もう一度感想を書くことにする。そして、今のところの採点をしておくと…90点。



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