楳図(うめず)かずお
楳図かずおの「漂流教室」を読んだ。と言っても、もうこれが3回目くらいだと思う。最初に読んだのは、もう10年以上は前のことだ。作者の楳図かずおのことはテレビでも良く見ていたし、その印象が強い人も多いと思う。
色白でガリガリの身体とアフロのようなチリチリの髪の毛に、赤と白のボーダーを着て自分のヒット漫画「まことちゃん」の主人公である、まことちゃんのギャグ「グワシ」をやっている姿。一見して奇人・変人だと分かるが、漫画のほうも唯一無二といっていい絵柄とストーリーで、只者ではないのは間違いない。
絵の方はほんとに、ヘタウマというのか単に下手というのか、まずは人物の動きがコマ送りの画像に動く方向の線を足しただけの子供が書きそうな代物で、霜降り明星のネタじゃないが、ボラギノールのCMとさほど変わりがない。
独特なタッチ
絵柄は独特で、ホラー出身なのでおどろおどろしいのはそうなのだが、普通のホラー漫画のタッチとは何か違う異質な絵になっている。説明はしにくいが、全体はホラータッチとアメコミを足して割ったような絵柄で、登場人物の目がホラーなのに怖がっている目じゃなく、愛と誠の岩清水弘(君のためなら死ねる!の人)の目のように真っ直ぐで真剣なのだ。
今でも、漫画・アニメにかかわらず、登場人物がホラー状態になるとこの「楳図かずおタッチ」になるという描写は定番となっており、いかに浸透しており、かつ何か感じるものが残る絵柄なのかはよく分かる。おそらく「カイジ」の福本伸行と同じで、簡単にマネできそうでできない絵だと思う。
内容的には荒唐無稽なところも多くリアリティに欠けている部分もあるが、その世界で起こる現象や事態がぶっ飛んでいたりリアルでなくとも、そこにいる人達の行動や心情は共感できるしリアルである。そして、なんといってもラストがいい。
評価と採点(ネタバレあり)
ちょっとネタバレになる(ただ、これだけ有名な作品なので、みんな知っているとは思うが、気になる人は以下は読まないでください。)が、こういうタイムスリップものは、どうやって終わらせるか、特にどうやってハッピーエンドにするか難しいところ、本当にいいラストだと思う。
もちろん、元に戻るという簡単なハッピーエンドがあるのだが、そうでなく、かつハッピーエンド、そして元の世界にも今の世界にも希望が残るという、理にも適い心にも響く終わり方はなかなかできない。このラストが漂流教室を名作にした。是非、読んでほしい。評価は86点。
楳図かずおの作品は、ビッグコミックスピリッツを毎週買っていた時に連載していた「わたしは真悟」、「神の左手悪魔の右手」、そして「漂流教室」の続編というべき「14歳」を全て読んでいるが、正直よく分からなかった。こちらは、ぶっちゃけあまりおススメしない。


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