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漫画における回想シーンの良し悪しについて

マンガ

回想シーンが多過ぎる

最近の漫画は回想シーンが多過ぎるとか長過ぎるとか、またいいところで挟まるからテンポが悪くなるなどという話がチラホラ出ている。特に人気漫画のワンピースにおいて、それが顕著だという。

ワンピースの連載が始まったのは1997年。当時まだ私は28歳の独身貴族で、週刊誌は月曜日にジャンプとスピリッツ、水曜日にサンデーとマガジン、木曜日にモーニングと毎日のように読んでいる時代だった。

ちなみに、ワンピースが新連載として掲載された1997年の第34号の掲載順は、1 ワンピース、2 るろうに剣心、3 ジョジョの奇妙な冒険(第5部)という顔ぶれである。るろ剣の頃ね。懐かしい。

ワンピースは正直、ここまで人気が出るとは思わなかった。新連載された時は「海賊モノ」では、流行らないだろうと思っていたし、連載が始まってしばらくも「つまらなくはないが面白くもない」と感じていた。

その後、カミナリ様(エネル編?)くらいからつまらなくなって読み飛ばしており、その後は漫画そのものから離れて週刊で買わなくなっていた。しかし、どうもえげつない人気になっているというので、単行本で最初から読んでみたが、すぐに止めた。私には合わなかった。

ということで、私はワンピースはちゃんと読んでいないのでよく分からないのだが、ネットなどでは「回想シーンが多くて長い」という話はよく聞くところである。また、最近の話でも2025年6月23日発売分に掲載された第1152話が、その回想シーンがらみで物議を醸しているという。

回想シーンの中で回想

【そこでは、現在の時間軸から14年前のエルバフでの事件へ回想が入り、さらにその中で109年前の大巨人王・若きハラルドの暴政を描くという、いわば「回想の中の回想」が展開された。】

なんと、回想シーンの中で回想という斬新な手法がとられたという。これには、複雑な構成や長引きそうなエピソードが再び始まったとして、

【「回想の中で回想という狂気じみた手法で草」「回想に回想が入るワンピ、もう一生終わらん」「俺たちはいま、回想の中の回想の中にいる…インセプションかよ」「回想の中に回想が来たぞ。これ、数週間…いや数ヶ月ここに足止めだな」】

というようなリアクションがあり、全体的には不評のようだ。そもそもあまり好意的ではなさそうな回想シーンをこの段になって、それも回想中の回想という狂気の手法でぶち込んでくるも凄い。編集部の引き延ばしなのか、作者の傲慢なのか。

そもそも回想シーンというのは、例えば誰かを助ける場面なんかで、昔同じような状況で失敗したことを思いだすとか、まさにリアルタイムでその一瞬思い出したことを挟む程度のもので、長くて数ページ、なんやったら1コマで済むようなものが基本だったように思う。

それが、大事なシーンでその登場人物の過去を掘り下げ、人格形成の背景を描くようなものになったため、その回想シーンで1話まるまる使ったり、長い時は単行本1冊なんてものもある。物語に深みをもたせるためなのは分かるが、長すぎると元の話を忘れてしまう。

ドラゴンボールはどうだった?

忘れるとまでは言わなくとも、それまで読んできて「ココ」という頂点に至る前のシーンで長い回想をやられると、それまで持っていた「読み手の熱さ」が失われるように思うのだが。そういえば、ドラゴンボールって回想シーンあったっけ?

思いつくのはフリーザが悟空の父の話をした時(最後まで抵抗したあのサイヤ人…)くらいか。あそこで、バーダック(悟空の父)とフリーザの戦闘の話になってたらどうだったか。まあ、ドラゴンボールは別格か。

そういえば、ワンピースの作者、尾田栄一郎も「単純な王道バトル漫画は既にドラゴンボールが人気が出てて勝てないから、違う路線で勝負するため」と言っているので、もう長い回想は手法というより「売り」なのだろう。

そもそもこの回想の手法は、ドカベンの伝説の31巻がその始まりと言われている。山田・里中・岩鬼・殿馬の過去を描いたこの件(くだり)は、私もよく覚えている。単行本だったか、リアルタイムの週刊で読んだかは忘れた。

もとより魅力的であったこの4人の魅力はさらに増したし、山田が柔道をしていた理由とか、岩鬼が何故夏子はんのような容姿を好むのかなどの理由も分かったし、試合との融合も上手く書かれており、この回想シーンは全くストーリーの邪魔にならず、かつ効果的だったと思う。

そのドカベンを見て漫画化を目指したというスラムダンクの井上雄彦も、同作で回想シーンを効果的に使っているが、まさにこの伝説の第31巻の影響だろう。スラムダンクが全31巻で終わっているのも、これを意識しているとか。

回想シーンのこれから

回想シーンは今の漫画では標準的な手法になり、多用されかつ多様化しており、そのためもあって長すぎたり難解になっていることは否めない。しかし、より深い感動が得られることは間違いなく、これからも廃れることはないだろう。

ただ、やはりあまりに長い物は物語のテンポが悪くなるなどのデメリットもある。そんな場合は、本篇では少し触れておき、回想シーンは外伝などで詳しく書けばいいのではないだろうか。

私はどっちかというと回想シーンは苦手なので、多用されたり長いと読んでいて疲れてしまう。しかし、ワンピースはこれだけの人気漫画、漫画好きの私が読まない訳にはいかないので、完結(するのか?)したら読もうと思っている。それまでに回想シーン慣れしておこう。

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