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折原一の「タイムカプセル」を読んだ

小説

はじめての折原一

折原一という作家の名前は知っていたが、その著作を読むのは初めてだった。初めて読むのにこの「タイムカプセル」を選んだのは、全くの偶然というかランダムであり選んだ訳ではない。図書館で何となく手に取ったというだけだ。

本選びをする際にスマホなどで書評を見てから選ぶのが今やスタンダードだと思うし、以前は私もそうやっていた。やはり駄作と呼ばれるようなものを読んでしまい、(買ったなら)お金とか、(買ってなくて借りても)時間を無駄にするのが嫌だから。

しかし、最近は金欠のため図書館で借りるのが標準となっているのだが、ネットなどで調査して「今日はこれを借りよう」と思っても、本棚に無いということが続いた。そもそも無いという場合もあるし、借りられているという場合も多い。

この既に借りられているというのは人気作ならなおさらで、ハードカバーの「成瀬は天下を取りに行く」などは、17冊ほどの在庫がありながら全てレンタル中となっていて、更にその全てに予約が入っている。

そんなこともあって、今は図書館にブラっと行って文庫本の本棚に立ち寄り、持っている知識だけをたよりに、適当に読む本を選ぶという方法を取っている。そして、今回もこんな感じで折原一の「タイムカプセル」を選んだという訳だ。

叙述トリックの名手

「折原一(おりはらはじめ)・・・なんか聞いたことある名前。確か叙述トリックの名手とか…それで、ある意味避けてたんだよな。叙述トリックというのは、その性質上、【このミステリーは叙述トリックを使っています】とは大っぴらに書きにくい。叙述トリック作品であること自体がネタバレになるから。」

「そんな訳で、最初から叙述トリックと分かってると読む気がしないんだけど…ただ、このタイムカプセルっていうのはちょっと様子が違うようだし、読んでみるか。」

読んでみると、ちょっとホラーチックで、謎も適度に散りばめられており、4分の3くらいまでは面白くてアッというまに読んでしまった。この先どうなるのか、どういった結果になるのか、楽しみに読んでいたが、正直がっくりした。

それに、登場人物の行動が少し疑問というか納得いかない。「そうはならんやろ」とか「いや、この人物ならここでそんなことしないだろう」という感じの動きが多く、感情移入できなかった。

あまりにモヤモヤしたので、怒りに任せて読者のレビューを読んでみた。いくつか私が共感したものを取り上げる。

共感したレビュー

「途中までのホラー要素は好きだったが、真相がやや不完全燃焼でした。」「初めての折原作品。最初面白くて期待してたのに尻すぼみ感…あんな謎やこんな謎わからないままなんですが…」「表紙と袋とじの仕掛けに惹かれて読みました。読み始めはいい感じで読み進みましたが、途中が間延びした感じでラストはうーん‥ちょっと残念でした。初の折原作品。」

「評価が低いのでどんな感じなのかなぁと思い読んでみました。正直思ってた感じとは違いましたが、まぁ何とか楽しめたかなと言う感じです(笑)。折原一は他にもっと面白い作品があるのでわざわざこれを読む必要はないかと思いました。」

そして、どうもこれは小中学生用に書かれた作品で、図書館などでも「児童書」扱いになっているところもあるとか。だから結末も無難、恐怖も適度、安心して読める内容ということだったようで、盛り上がりに欠けるのも仕方なかったようだ。

【評価が低いのでどんな感じなのかなぁと思い読んでみました。折原一は他にもっと面白い作品があるのでわざわざこれを読む必要はないかと思いました。】というレビューは貴重で、これを読んでいたら本作は手に取っていなかったろう。「飲む前に飲む」ウコンの力じゃないが、「読む前に(レビューを)読む」のも大事だと分かった。

評価と採点

私は小さい頃は好き嫌いが多かったのだが、今はほぼ直っている。それでよく思うのが、「初めて食べたそれが不味かった」のが嫌いになった原因じゃないかということ。初めて食べたピーマンが給食のサラダに生で入っていた、昔の苦いピーマンだったから、嫌いになったのじゃないかと。

最初に食べたピーマンが、チンジャオロースに入った美味しいやつだったら、嫌いにはなってないんじゃないか。というか、今やピーマンは大好きだから、きっとそうだったと思う。

小説も同じで、最初に読んだ作品がその作家の好き嫌いに繋がるような気がする。多少、文体などが好みでなくとも内容が面白いと許せるというのもあるだろうし、そういう「好みでない」作家であってもその作家の名作・良作を最初に読めば、そこはクリアできて次も読もうと思えるのじゃないか。

そう考えると、やっぱり初見の作家は、まずその名作・良作を読むのがいいのだろう。次からは、それくらいは調べてから借りようと思った。最後に、この「タイムカプセル」は、私がトラウマになった田中 啓文の「件(くだん)」で多用されたダジャレというか言葉遊び要素が少しあり、それもピンとこなかった。

点数は40点!他の折原作品を読もう!

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