PR

「0番目の患者」~逆説の医学史(ジャック・ペリノ)

小説

0番目の患者

なんとなく図書館の棚の間をゆらゆらと歩いていると、ふと目に留まったのがこの本。私自身は風邪ごときでは病院に行かないほどの大の病院嫌いなのだが、病気や医療には少し興味があって、気になる病気や医療の話をネットで調べてみたり、その手の本を読んだりしたことはある。

そういえば、「アウトブレイク」は映画館で「コンテイジョン」もアマゾンプライムで見て、どちらも興味深くドキドキしながら見た。そんな色々もあってか、題名につられて借りることにした。「0番目の患者」というからしてSARSやコロナの1番目の患者の確定・追跡であったり、さらにはその前の宿主の話だろうか。

まだ読んでいる途中だが、半分は思った通りで半分は違った。やはり初めての麻酔患者の話だったり、初めて狂犬病のワクチンを打って助かった少年の話だったり、はたまた初めてのアルツハイマー型認知症と認められた女性の話だったりなのだが、私が思ったのとは少し違った。

初めての患者を追跡する方法だったり、又はそれをいかにして特定するかとか、さらには特定できたと思ったら違う情報が入って振り出しに戻るとか、そのあたりの攻めぎあいみたいな話を期待していたが、メインテーマは「それら0番目の患者」に対する敬意という話のようだ。

初めての患者の医療に対する貢献度

アルツハイマーもしかり、病名にはそれを発見した医者の名前がつくことが多い。しかし同じようにその病気の原因特定や治療法の確立には、医者と同じレベルで患者も貢献している。それら名もなき偉人である最初の患者には、病名となった医者と同じような敬意を表するべきということのようだ。

それは私も全く同意で、もっと言えばそれ以上に命を預けたという点でむしろ患者の方が貢献度も高く表敬に値すると思う。しかし、書籍としてみると私が読みたかったのとは少し違ったこともあり、ちょっと物足りなかった。

それに、先に述べたように本書でも取り上げられているチフスのメアリーとか、狂犬病のワクチンの話などは既に調べたことがあり、一定の知識があったからなおのこと手ごたえは少し小さかった。やはり、小説に慣れている者にとっては少し物足りないかもしれない。そもそも誰を対象とした書籍なのだろうか。

とはいえ、良書だと思う。我が子たちに読んでみてほしいと思った。でも、読まないだろうなぁ。

タイトルとURLをコピーしました